政府は4月16日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための緊急事態宣言の対象をこれまでの7都府県から全国に広げることを決めました。
期間は当初5月6日まででしたが、5月25日までに延長になりました。
その間、次男は障がい者入所施設から外出ができなくなり、関係者以外は施設にも入る事ができませんでした。
ニュースでは、他の入所施設でクラスターが発生して、集団感染した例もありますからやむを得ません。
ようやく緊急事態宣言も解除され、次男も6月5日より帰省ができるようになりました。
次男とは何回か電話で話しはしたものの、約2ケ月振りに会います。
施設の中に入ると、私は廊下よりすぐ次男を発見しました。
次男の部屋は一階に移動していました。とても目立つ部屋です。
以前、施設を脱走したため、職員さんのすぐ目に付く部屋に移動をさせられていました。
入所してからは落ち着いて過ごす事ができるという事で二階の角部屋を利用させてもらっていました。
この部屋は騒がしくなく、窓からの景色も野原が広がっていて快適に過ごす事ができました。
今回の移動した一階の部屋はとても騒がしいのです。
施設で食事をしたり、皆でテレビを見たり、お風呂に入ったりする生活の場が一階です。その隣が次男の部屋です。
施設の利用者は小学生も多い為騒がしくてにぎやかなのです。
次男も私を見つけ、手を振り近寄ってきました。
久々に会う次男は明らかに様子が違っていました。
とてもイライラした感じで険しい顔をしています。
私は次男が脱走したという話を聞いてからとても心配をしていました。
外泊の手続きをすませると、私と次男は車に乗りました。
次男は
「部屋が落ち着かないから元の部屋にしてほしい」
私は、
「すぐにはできないかもしれないが至急、施設の方にお願いをする」
そう伝えた後、次男からの質問攻撃が始まりました。
「どうして、障がい者入所施設に入れたの?」
「どうして普通の中学校に行かせなかったの?」
「どうして支援学校の病院の分校に入れたの?」
「どうして1年も精神病院に入院させたの?」
私は驚きました。
「覚えてないの?」
次男「忘れた」
私はひとつづつ説明をしました。 つづく